鎖国と硝石

戦国時代から江戸期にかけた東アジア一帯でのキリスト教布教状況と、この地域での国家の衰亡の関連性に興味を引かれて色々調べ始めてみたら、当時の交易品目として、硝石(硝酸カリウム)が非常に重要だったことが分ってきた。


一般的に江戸期の日本は鎖国していて、オランダと交易している長崎(幕府直轄領)、朝鮮と交易している対馬藩、琉球と交易している薩摩藩以外は、海外貿易は全く行われていなかったと信じられている。


実際には17世紀〜19世紀の間、カトリック側もプロテスタント(ユダヤ)側も、アジア圏との交易をどんどん拡大しており、さらに環太平洋航路も開拓している。




環太平洋航路については特にスペインが開拓に熱心で、当時の北米大陸の西海岸はスペイン領。現在のメキシコは、当時はノビスパニア(新イスパニア帝国、つまり第二のスペイン)と呼ばれていた。


南米大陸は概ねスペインとポルトガルの所有地なので、南北アメリカの太平洋側は、完全にカトリック勢力の版図になる。


スペインは、フィリピンのマニラにアジア方面総督府を置いており、ここがアジア地域の環太平洋貿易の拠点になっている。




地球上には、緯度による温度差と、コリオリ力によって、常に同じ風向きで吹いている大きな気流が三つある。

一つは、赤道から中緯度付近にかけて東から西に吹く貿易風。
一つは、中緯度から高緯度の手前まで、西から東に吹く偏西風。
一つは、極から高緯度地域にかけて東から西に吹く極風。
地表近辺の風は上記のように呼ばれているが、高い高度ではジェット気流と呼ばれている。


陸地では地形に邪魔されるので、それらの風はそんなに強くは吹かないが、障害物がない大洋上では強く吹き渡っている。


動燃機関を持たない帆船時代の外洋航路は、貿易風に乗って東から西へ移動するルートと、偏西風に乗って西から東へ移動するルートに大別されており、加えて黒潮のような大きな海流に乗ることで長い距離を移動する航路を形成している。




まだ十分に調べ尽くしてはいないが、スペインは16世紀〜19世紀ぐらいまで、貿易風と黒潮と偏西風とカリフォルニア海流に乗っかった、環太平洋の時計回り航路を支配していたと見られる。


北米西海岸や、中南米の産品をノビスパニアに集め、交易艦隊を編成し、貿易風に乗って太平洋を東から西に渡ってマニラの基地へ向かい、そこでアメリカの産品を下ろして、東南アジアの植民地で徴集した産品を積み込む。


そこから黒潮に乗って北上し、広州や台湾で中国の産品と交換する。

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その先が問題で、黒潮と偏西風に乗っかっていくならば、必ず日本を通る。
環太平洋ルートとして、物理的に考えて外すわけがないだろうという位置に日本列島はある。